◇◇緑内障◇◇
眼圧が正常眼圧を越えている状態を主な徴候とする疾患です。
正常眼圧とは15mmHgで,10〜20mmHgが範囲とされています。
ただしこの数値は平均値であるため,個人差があります。眼圧が25mmHgと高くても,それがその人にとって正常な眼圧であることもありますし,15mmHgでもその人にとっては眼圧が高く緑内障となることもあるわけです。そういった点で診断も非常にむずかしい病気ともいえます。
眼圧が高くなる原因は,房水が流れ出る機構に問題があるわけです。
房水は毛様体で産出され,後房から瞳孔を通って前房に入り,前房隅角から眼球の外へ排出されます。眼球内に入ってくる房水の量と出ていく量とが同じであれば眼圧は一定に保たれますが,前房隅角に異常があると房水がうまく排出されずに,前房や後房にたまりすぎ,眼圧が高くなります。眼圧が高くなると,その影響は眼球壁すべてにおよぶわけですが,強膜は強固なので,やわらかい角膜と視神経乳頭が被害をうけます。
長い間視神経が圧迫されると神経は萎縮して,視野が狭くなったり(視野狭窄),視力が低下したりします。そして一度狭くなった視野や悪くなった視力は回復しません。
また,視力より視野が先に障害されてきます。
●慢性緑内障
正常よりやや眼圧が高い状態が続いて,徐々に視野が狭くなり,
視力も低下し最悪の場合は失明してしまいます。
そういったことからも非常に恐い病気であるわけですが,けっして珍しい病気ではありません。40歳から50歳代までの人の約2%,60歳代では約6%,70歳以上では約13%の人に
緑内障が見つかっているという報告もあります。
ゆっくり進行するので,たいした自覚症状もなく,気付いたときにはかなり進行し,
視野や視力がかなり障害されていたということも少なくありません。
早期に発見し,早期に治療を開始することが大切で,そうすれば重篤な経過をとらずにすむことがほとんどです。目が疲れる,かすむ,頭が重いといった症状は,緑内障の初期に起こってくる場合があるので,ある年齢以上の人であれば十分注意する必要があるでしょう。
また40歳以上の人は年1回程度の眼圧測定の定期検査を受けておくのもよいでしょう。
●急性緑内障
急に眼圧が高くなり,頭痛,眼痛が激しく,吐き気があり,吐くこともあります。
視力は低下し,球結膜は毛様充血のため赤くなります。
急性禄内症は早朝に眼圧を下げる治療をすれば,はぼ元の状態に回復しますが,
遅れると失明してしまいます。
吐き気があるため内科に通院を続けそれから眼科へ来て治療が遅れたということも
実際にあります。頭痛,吐き気がひどくて,目が充血し,かすんでいたら眼科へ
行くようにしなければなりません。
●先天性緑内障(牛眼)
前房隅角の形成異常が原因で,生後1年以内に発症するのがほとんどです。
眼圧が高いため眼球自体が大きくなるので「牛眼」ともよばれています。
角膜(くろ目)の直径も大きくなり,
新生児で10.5mm以上,6ヵ月で11.5mm以上,1歳で12.5mm以上ある場合は
この病気を疑うべきです。また乳児でまぶしがる場合もこの病気の可能性があります。
放置すれば失明してしまいますから,これも早期に治療(手術を含む)する必要があります。
●続発性緑内障
ブドウ膜炎外傷などの他の病気があって,
それに続いて起こる緑内障を続発性緑内障といいます。
◆◆緑内障の治療◆◆
緑内障は早期発見早期治療を行なえば大事には至りませんが,
かといって「もう治療の必要はありません,治りました」ということもなく,
眼科医と一生付き合っていかなければならない病気です。
つまり,眼圧を常に上手にコントロールしていかなくてはならないのです。
眼圧コントロールは点眼薬や内服薬で行ないます。これらを医師の指示通りに使用し,
定期的に眼圧などの検査を受けます。
日常生活では,コーヒー,アルコール類,お茶などの刺激物や水分の取り過ぎに気をつけ,
目を疲れさせないようにし,
血液の循環をよくするため過度の喫煙をやめ便通もよくするよう気をつけてください。
また,首を圧迫するような服装は避けること,
そして,イライラしたりストレスのたまらないようゆったりとした生活を送れるようにすることも
大切です。しかし,このような方法でも眼圧がうまくコントロールできない場合は,
房水の排出がスムースに行くような手術を行ないます。
◆◆視野異常◆◆
視野の異常には大きく分けて狭窄,半盲,暗点という三つの種頚があります。
狭窄とは,視野の広さが狭くなるもので,視野全体が狭くなる求心狭窄と視野の一部分が
不規則な形で狭くなる不規則狭窄とがあります。
視野の右半分や左半分が見えなくなるのが半盲で,視野の中に見えない部分が
あるものを暗点といいます。
またこれらは,網膜,視神経,視路の病気,緑内障,ヒステリーなどで起こってきます。
◆◆狭窄◆◆
求心狭窄を起こしてくるものに緑内障,網膜色素変性症などがあります。不規則狭窄は,網膜剥離,網膜出血のときなどに起きています。目の器質的な病気ではありませんが,ヒステリーでも求心性狭窄を起こしてくることがあります。
◆◆半盲◆◆
両眼視野の片側ずつが欠損することを半盲といい,
網膜に映った像を脳まで伝える視路の障害によるもので,
その部分に腫瘍があったり脳出血があったりして視路を圧迫している
場合などに起こってきます。
◆◆暗点◆◆
視野のまわりの部分に暗点があっても気がつかないことが多いですが,
中心部に時点があるとすぐに気がつきます。これを中心暗点といいます。
中心時点があると当然視力も悪くなり,色覚もおかされます。
中心暗点にも程度があり,まったく見えないものから,
ぼやけて見えるといったものまでを総称します。
中心時点を起こす病気は,中心性網脈絡膜炎や,球後視神経炎などがあります。
盲点が大きくなる のも暗点のひとつで,これは緑内障の初期,
うっ血乳頭などのときに起こります。